胸水

胸水きょうすいとは、胸腔(肺を取り巻く空間)内に過剰な液体が溜まった状態です。健康な人でも胸腔内には少量の液体が存在しており、これは肺の滑らかな動きを助けるためのものです。しかし、特定の病状や病気によって液体が過剰に分泌されるか適切に排除されないと、胸水となり、息切れ、胸痛、咳、体重減少、吸息時の不快感などを起こします。重症化すると呼吸苦となり、窒息のおそれもあります。

原因は様々で、心不全や肺炎などですが、【血管腫・血管奇形】では、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症で起こります。胸部X線、CT検査、超音波検査などで評価し、胸腔穿刺によって胸水の性状(血液かリンパ液か、癌性胸水か)を判断します。治療は軽症であれば、原疾患の治療のみの場合もありますが、大量胸水で呼吸苦などがあれば、胸腔ドレナージ(胸腔穿刺)が必要なこともあります。

 

全身性の「リンパ管腫症」は、どのような症状がありますか?どんな経過をたどりますか?


(ガイドライン2022、Cordisco MR, Vascular Anomalies in Childhood)