出血

出血(しゅっけつ、hemorrhage)とは、血液が血管外に流出することです。

体の外に出血する場合を「外出血」といい、外傷出血、口腔内の出血、鼻血、消化管の出血などを指します。体の中に出血する場合を「内出血」といい、皮下(皮膚の下)出血、頭蓋内の出血、筋肉内の出血など、傷口が体内にある状態をいいます。

外出血の場合は、貧血(血が無くなる)が症状として代表的です。内出血の場合は、出血によって血腫けっしゅ(血のかたまり)が作られます。この血腫が周りの組織を圧迫することで、神経や血管に障害を起こすことがあります。その他にも、ふらつき、一過性意識消失、息切れ、頻呼吸、頻脈などを起こすことがあります。

血管腫・血管奇形では、病変内部で出血を起こす(内出血)を起こすことが、まれにあります。急に痛みが出たり、その部分の皮膚が腫れ、紫色になっている場合は内出血を疑うと良いでしょう。

治療は、外出血の場合、小さな切り傷や擦り傷は、傷口を清潔にして絆創膏などで保護すれば、やがて止血し治癒します。事故などによる大きな外傷で出血した場合は、まずは圧迫止血を行い、病院で治療しましょう。傷口の縫合や出血量が多い場合などは輸液、輸血を行うこともあります。

内出血の場合は、出血した部位に応じて内視鏡や手術、血管塞栓術による止血術などを行うこともありますが、軽症の場合は安静にすると数週間から数ヶ月で治癒します。止血機能に問題がある場合(血小板数が低いなど)は、さらにその治療を行うことも、出血を止めるには重要です。

 

血管腫・血管奇形では、巨大な血管腫(カポジ肉腫様血管内皮細胞腫)や静脈奇形などで凝固異常をきたします。重症の場合は出血が止まりにくくなる場合もあります。