シグナル伝達経路

シグナル伝達とは、細胞が外部からの刺激を感知して、対応するための細胞内に信号を伝える仕組みのことを言います。

私たちの体は絶えず新しい血管を作り、すべての細胞に必要な栄養を行き渡らせています。血管を作ることを、血管新生(angiogenesis)と呼びますが、その信号を伝える伝達タンパク質は血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor、VEGF)といわれます。VEGFが血流中に放出され、それに対応する細胞膜の受容体(レセプター)に反応すると、細胞内に信号が伝わり、新たな血管を作るよう変化が起こります。

血管腫や血管奇形は、このような細胞の信号が活性化(元気になっている)ため、病気が起こっている可能性があります。細胞内のシグナル伝達経路内のタンパクが正常よりも増えることによって、信号が元気になります。その信号の経路が、PI3K/AKT/mTOR経路RAS/MAPK/MEK経路などといいます。これら以外にも様々な経路やタンパクがあります。このことが病気の全ての原因とは言えませんが、現在、一番注目されており、またこのタンパクを抑える薬剤が治療薬となるため、研究が進んでいます。

参考: シグナル伝達 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』