漢方薬

漢方薬とは、生薬と呼ばれる、自然界に存在する植物、動物や鉱物などの薬効となる部分を複数組み合わせ構成する薬物です。組み合わせによって効果が変化するとされています。現在医学においても治療薬の一つとして使用することが認められており、様々な疾患への効果があります。

血管腫・血管奇形に対しても、手術困難な例などに使用されることがあります。使用例を以下に挙げます。

 

1)リンパ管奇形

越婢加朮湯えっぴかじゅつとう(えっぴかじゅつとう)を使用します。慢性的な炎症がある場合は、黄耆建中湯おうぎけんちゅうとう(おうぎけんちゅうとう)を追加します。越婢加朮湯は0.2g/kg/日から徐々に増量し、1.0g/kg/日まで増量可能ですが、不眠や食欲不振などの副作用に注意してください。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

2)静脈奇形

桂枝茯苓丸料加薏苡仁けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)、加味逍遙散かみしょうようさん(かみしょうようさん)を使用します。慢性炎症による消耗がある場合は、人参養栄湯にんじんようえいとう(にんじんようえいとう)を追加します。

桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)

加味逍遙散(かみしょうようさん)

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

もう迷わない血管腫・血管奇形 小川恵子先生 p65-71を参考にさせて頂きました)