カサバッハ・メリット現象(症候群)

カサバッハ・メリット現象(症候群)(Kasabach-Merritt phenomenon; KMP (Kasabach-Merritt syndrome;KMS))とは、カポジ肉腫様にくしゅよう血管内皮細胞腫けっかんないひさいぼうしゅおよび房状ぼうじょう血管腫けっかんしゅ(tufted angioma; TA)の増大によって起こる重篤な血小板減少、凝固異常です。播種性はしゅせい血管内けっかんない凝固症候群ぎょうこしょうこうぐん(DIC)のひとつです。

病気の部分で異常な血小板や凝固因子の局所での消費が起こることによって発症します。房状血管腫とカポジ肉腫様血管内皮細胞腫の50−70%に発症するとされています。

管理が非常に難しく、原則、入院治療が必要です。血小板数が低く、血が止まりにくいので、検査も十分できないことも多いです。血管腫は正常な組織に浸潤していうだけでなく、出血もしやすいため、手術で切除することも難しいです。そのため薬物療法が主となります。ステロイド(免疫抑制剤めんえきよくせいざい)、ビンクリスチン(抗がん剤)をよく使用しますが、副作用が強いです。最近は、シロリムスが著効することがわかり、現在、日本で治験が進んでいます。いずれ日本でも使用できるようになることが期待されています。

4、乳児血管腫以外の血管性腫瘍【発展編】

カサバッハ・メリット現象(症候群)はどんな病気ですか?
カサバッハ・メリット現象の病変内で起こっていること