ISSVA分類が正式にアップデートされました!

ISSVA(脈管異常の国際学会)が正式に、「2025年版 ISSVA分類」を公開しました!!
2024年5月のマドリードで開かれた国際学会で承認され、今回、HPにもアップデートされました(2025年3月21日)。

https://www.issva.org/classification

これまでのISSVA分類とは大きく変化はしていませんが、医学的な進歩に合わせて修正され、現時点での診断や治療に関する国際的な標準指針といえます。この分類は、医療者の間での共通理解を促進し、患者さんへの適切な診断と治療に役立ちます。また、患者さんやご家族が血管奇形について理解するための助けにもなります。

日本語版を作成しましたので、どうか参考にしてください。こちらは新分類より小関が日本語化したものです。日本語訳はガイドラインや現在、日本でよく使用されている日本語訳を参考にしています。もともとの分類はISSVAのHPに掲載されていますので、詳しくは原文をご参照ください(誤っていたらご連絡ください)。

ISVVA分類2025 日本語版(小関作成) ISVVA分類2025 日本語版(小関作成)

また、この分類には非常に多くの病気が入っています。分類に加えて「用語集」が追加されました。この用語集には血管奇形に関する専門用語がまとめられています。
また、略語や頭字語、固有名詞、関連する遺伝子や症候群が含まれており、それぞれに分類コードが付けられています。

用語集のポイント!!

  • 「Port Wine Stain」→「Port Wine CM」など、誤解を招きやすい旧来の用語を廃止。

  • 「Combined Vascular Malformation」の表現の見直し

  • PROS(PIK3CA関連過成長スペクトラム)の新たな統合概念導入

  • 血流速度(fast-flow vs slow-flow)による新たな分類

  • 新規疾患項目の追加(例:PUVA、Intramuscular Fast-Flow Vascular Anomalyなど)


以下のことは、注意していただきたい点です。

  • 本資料は用語集であり、診断アルゴリズムや治療指針を提供するものではない。

  • 遺伝子変異の詳細解析や治療成績に関する記述は限定的である。

  • 急速に進化する分野のため、今後の改訂が必要となる可能性が高い。

いずれにしても、国際的な用語をまとめ、医療者のみならず、医学生の教育にも活用できます。また遺伝子についても(ばらばらの記載ですが・・・)、網羅的な記述、リファレンス(参考書)としても使用できると思います。
この用語集の日本語化はまだできていませんが、こちらを元に、当HPの用語集もアップデートしたいと考えています!