肺血栓塞栓症

項目 内容
日本語名 肺血栓塞栓症
英語名 Pulmonary thromboembolism
略語 PTE
読み方 はいけっせんそくせんしょう
カテゴリ 6、静脈奇形

肺血栓塞栓症(PTE)とは、深部静脈(主に下肢の深い静脈)などに形成された血栓(血の塊)が血流に乗って肺の血管(肺動脈)に達し、血管を詰まらせる(塞栓する)病態をいいます。「エコノミークラス症候群(ロングフライト症候群)」としても知られており、長時間の同一姿勢などで発症しやすいことで広く知られています。突然の呼吸困難・胸痛・頻脈が主な症状で、重篤な場合は生命に関わります。

 

【脈管異常(静脈奇形)における肺血栓塞栓症のリスク】

静脈奇形やリンパ管成分を含む低流速型脈管奇形(クリッペル・トレノネー症候群など)では、病変内の血流の滞りから血栓が形成されやすく、「限局性血管内凝固障害(LIC)」という慢性的な凝固異常が起こっています。特に以下の状況で血栓が病変から離れ、肺動脈へ飛ぶ(肺血栓塞栓症を起こす)リスクが高まります。

・手術・血管内治療(硬化療法)などの処置時 ・病変部の外傷・感染・炎症時 ・長期の安静・臥床時 ・硬化剤注入後の炎症反応時

特に四肢に大きな病変を有するクリッペル・トレノネー症候群や、静脈奇形・混合型脈管奇形の患者さんでは、肺血栓塞栓症への注意が重要です。

 

【予防と対処】

リスクの高い患者さんに対しては、手術前後に低分子ヘパリンを用いた抗凝固療法が検討されます。また日常生活での弾性ストッキング着用は、血液の貯留を減らして血栓形成を予防する効果が期待されています。症状(急な呼吸困難・胸痛など)が現れた場合はすぐに医療機関を受診してください。

| 備考 | D-ダイマーの上昇は血栓症の進行を示す指標となる。リスクの高い患者では、手術・処置の前に必ずD-ダイマーを含む凝固機能検査を行うことが推奨されている |

https://cure-vas.jp/list/venous-malformation/ 静脈奇形の治療法を教えてください。

 

【関連情報】

項目 内容
関連用語 深部静脈血栓症(DVT)、限局性血管内凝固障害(LIC)、血栓症、D-ダイマー、静脈石、弾性ストッキング
関連薬剤 低分子ヘパリン、ワルファリン、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)
関連検査 血液検査(Dダイマー・フィブリノーゲン・血小板)、下肢静脈超音波検査、CT肺血管造影

(最終編集:2026223日)