2026.02.23
動静脈奇形
| 日本語名 | 動静脈奇形 |
| 英語名 | Arteriovenous malformation |
| 略語 | AVM |
| 読み方 | どうじょうみゃくきけい |
| カテゴリ | 2、疾患の分類、全体像 |
動静脈奇形(AVM)とは、先天的に動脈と静脈の間に正常な毛細血管が存在せず、「ナイダス(nidus)」と呼ばれる異常な血管の塊を通じて動脈が直接静脈へと流れ込む病気です。この異常なつながりを「動静脈短絡(シャント)」といいます。圧力の高い動脈血が毛細血管でのガス交換を経ずに静脈へ流れ込むため、静脈の圧力が上昇し、血管が拡張・変形して進行していきます。
皮膚・軟部組織・骨・脳脊髄など全身どこにでも発生しますが、頭頸部に多く認められます。ISSVA(国際血管腫・脈管奇形学会)分類では「高流速型脈管奇形」の代表的な疾患に位置づけられます。
【症状と病期(ショービンガー分類)】
動静脈奇形の進行度は「ショービンガー(Schöbinger)分類」によって評価されます。
| 病期 | 状態 | 主な症状 |
|---|---|---|
| Ⅰ期(静止期) | 初期・病変が落ち着いている状態 | 発赤、皮膚の温かさ(熱感) |
| Ⅱ期(拡張期) | 病変が拡大してくる状態 | 拍動性の膨らみ、血管の拡張 |
| Ⅲ期(破壊期) | 周囲組織が傷んでいく状態 | 疼痛、潰瘍、出血、感染 |
| Ⅳ期(代償不全期) | 全身への影響が出る状態 | 心不全(高拍出性) |
病変は小児期に出現し、思春期・妊娠・外傷・不完全な手術などをきっかけに急速に進行することがあります。
【治療法】
動静脈奇形は根治が困難とされており、再発しやすい病気です。治療は病期や病変の大きさ・部位に応じて選択されます。保存療法(弾性ストッキング・鎮痛薬)、血管内治療(塞栓術)、外科的切除、またはその組み合わせが主体となります。現時点では保険適応のある薬物療法はありませんが、MEK阻害剤(トラメチニブなど)による新たな薬物療法の研究が海外で進んでいます。
| 備考 | 動静脈奇形は脈管奇形の中でも特に治療が難しく、不完全な部分切除がかえって進行を招くことがある。孤発性(遺伝しない)のものが多いが、オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)など遺伝性疾患に合併する場合もある |
https://cure-vas.jp/list/arteriovenous-malformation/ 動静脈奇形の治療法を教えてください。
【関連情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関連用語 | ナイダス、動静脈短絡(シャント)、高流速型脈管奇形、ショービンガー分類、オスラー病(HHT)、パークスウェーバー症候群、KRAS遺伝子 |
| 関連薬剤 | トラメチニブ(MEK阻害剤)、サリドマイド、塞栓物質、鎮痛薬(NSAIDs) |
| 関連検査 | 超音波ドプラ検査、MRI検査、血管造影検査(DSA)、CT血管造影 |
(最終編集:2026年2月23日)