生検

日本語名

生検

英語名

Biopsy

略語

読み方

せいけん

カテゴリ

4、乳児血管腫以外の血管性腫瘍

生検(biopsy)とは、病変の一部を採取し、顕微鏡で観察して診断を行う検査方法です。組織診(組織生検)とも呼ばれます。採取した組織は病理検査に回され、病理医が細胞や組織の形態を詳しく調べることで、病気の種類や性質を正確に診断します。

【血管性腫瘍における生検の重要性】

乳児血管腫以外の血管性腫瘍(カポジ肉腫様血管内皮細胞腫、房状血管腫、先天性血管腫、血管肉腫など)は、臨床所見や画像検査だけでは確定診断が難しいことがあります。これらの腫瘍は治療方針や予後が大きく異なるため、正確な診断のために生検が必要となる場合があります。またその他の血管奇形においても、診断が困難な場合に最終的に生検を行うこともありますが、通常は画像診断が主となります。
最近では病理診断目的ではなく、「遺伝子解析」を行うために、生検を行うケースも増えてきました。病気に関わる遺伝子変異を検出することによって、分子標的治療薬などの薬物療法に繋がる可能性があるためです。しかし、生検は痛みだけでなく、出血やリンパ漏、感染などのリスクも伴います。今後、薬物療法の選択肢が増えていく中で、大変重要な検査法となっていくものと思われます。

【生検の方法】

皮膚生検(パンチ生検):皮膚の病変から円筒状に組織を採取する方法。局所麻酔下で行われます。皮膚に赤い病変が見えている場合などはこちらを選択されることが多いです。通常は局所麻酔で済むことが多いです。小児の場合は、鎮静をかけて行うこともあります。

切除生検:病変の一部または全部を切除して検査する方法。皮膚の深い場所にある病変などの場合は、皮膚を切開して切除することが多いですが、通常は全身麻酔となります。

針生検:太い針を用いて組織を採取する方法。深部の病変に対して行われます。一番侵襲度が低く、傷跡も残りませんが、針なので、少量しか採取できないことがほとんどです。遺伝子解析を行う場合は、複数回の穿刺が必要となります。

【病理検査で調べること】

・組織の構造:血管の形態、細胞の配列、周囲組織への浸潤の有無などを観察します。

・免疫染色:特殊な染色法を用いて、特定のタンパク質の発現を調べます。

  • GLUT-1(グルコーストランスポーター1):乳児血管腫では陽性、先天性血管腫や血管奇形では陰性となるため、鑑別に重要です。
  • D2-40、CD31、CD34など:血管内皮細胞のマーカーとして用いられます。

【生検が必要となる場合】

・臨床所見や画像検査で診断が確定しない場合

・悪性腫瘍(血管肉腫など)が疑われる場合

・カポジ肉腫様血管内皮細胞腫や房状血管腫など、特殊な血管性腫瘍が疑われる場合

・治療方針の決定に正確な診断が必要な場合(遺伝子解析を行い、分子標的治療薬を選択する、など

【注意点】

血管性腫瘍は出血しやすいため、生検には注意が必要です。特にカサバッハ・メリット現象を伴う症例では、血小板減少や凝固異常があるため、生検が困難なこともあります。生検の適応は、主治医が慎重に判断します。

 

【関連情報】

項目

内容

関連用語

病理検査、免疫染色、GLUT-1、組織診断、鑑別診断

関連疾患

カポジ肉腫様血管内皮細胞腫(KHE)、房状血管腫、先天性血管腫(RICH、NICH、PICH)、血管肉腫、乳児血管腫

関連概念

良性腫瘍、局所浸潤・境界型、悪性型

https://cure-vas.jp/list/other-vascular-tumors/

(最終編集:2026215日)