2026.02.15
退縮、退縮期
| 日本語名 | 退縮、退縮期 |
| 英語名 | Involution、Involutive phase |
| 略語 | ― |
| 読み方 | たいしゅく、たいしゅくき |
| カテゴリ | 1、血管腫・血管奇形と診断された方へ |
退縮(involution)とは、組織や腫瘍が自然に縮小・消退することを指します。血管腫・血管奇形の分野では、特に乳児血管腫の自然経過を説明する際に「退縮期(involutive phase)」という用語が重要です。
【乳児血管腫と退縮期】
乳児血管腫(infantile hemangioma:IH)は、最も頻度の高い良性の血管性腫瘍であり、「増殖期」の後に「退縮期」を経て自然に縮小するという特徴的な自然経過をたどります。これは乳児血管腫と血管奇形を区別する重要な特徴です。
<退縮期(Involutive phase)>
・通常、1歳頃から始まり、5〜10歳頃までに多くの症例で退縮が進む
・血管内皮細胞の増殖が停止し、病変が徐々に縮小する時期
・鮮やかな赤色が薄くなり、灰白色や肌色に近づく
・腫瘤が柔らかくなり、平坦化していく
・「1歳で10%、毎年10%ずつ退縮する」という目安がある(個人差あり)
<退縮後の残存所見>
退縮期を経ても、以下のような残存所見が残ることがあります。
・毛細血管拡張(telangiectasia):皮膚表面に細い血管が見える状態
・瘢痕(scarring):傷跡のような組織変化
・余剰皮膚(redundant skin):伸びた皮膚がたるんで残る
・線維脂肪組織の残存:脂肪様の組織が残る
・色素沈着または色素脱失
これらの残存所見に対しては、レーザー療法や外科的切除などの治療が検討されることがあります。特に退縮期に残った毛細血管拡張に対しては、色素レーザー療法がよく行われています。


(写真:Cordisco MR, Vascular Anomalies in Childhood)
【先天性血管腫と退縮】
先天性血管腫(congenital hemangioma)は、胎内で完成し出生時にすでに存在する血管性腫瘍で、退縮の有無により以下のように分類されます。
・RICH(急速退縮型先天性血管腫):生後急速に退縮する
・NICH(非退縮型先天性血管腫):退縮しない
・PICH(部分退縮型先天性血管腫):部分的に退縮する


(写真:Cordisco MR, Vascular Anomalies in Childhood)
【血管奇形との違い】
血管奇形(静脈奇形、リンパ管奇形、動静脈奇形など)は、乳児血管腫とは異なり、退縮期という経過をたどりません。血管奇形は自然退縮せず、体の成長に伴って徐々に大きくなることがあります。
【関連情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関連用語 | 増殖期、乳児血管腫、自然消退、瘢痕化、毛細血管拡張 |
| 関連疾患 | 乳児血管腫、先天性血管腫(RICH、NICH、PICH) |
| 関連治療 | レーザー療法、外科的切除 |
https://cure-vas.jp/list/infantile-hemangioma/
(最終編集:2026年2月15日)