2026.02.24
MEK(メック)阻害剤
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本語名 | MEK阻害剤 |
| 英語名 | MEK inhibitor |
| 略語 | ― |
| 読み方 | めっくそがいざい |
| カテゴリ | 8、動静脈奇形 |
MEK阻害剤とは、「RAS–RAF–MEK–ERK」シグナル伝達経路(MAPKシグナル経路・RASopathy)の中のMEK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ)を選択的に阻害する分子標的治療薬の総称です。MEKはERKを活性化する中継役を担い、細胞増殖・生存・血管形成に関わる下流へのシグナル伝達を担います。代表的な薬剤としてトラメチニブ(商品名:メキニスト®)・セルメチニブ(商品名:コセルゴ®)があります。

【BRAF阻害剤との関係と脈管奇形での応用】
RAS/MEK/ERK経路は動静脈奇形(AVM)・毛細血管奇形-動静脈奇形(CM-AVM)・一部のリンパ管腫症(NRAS変異例)などに関与しています。これらの疾患の病変部位からはKRAS・BRAF・MAP2K1変異が検出されており、MEK阻害剤による治療効果が期待されています。
MEK阻害剤はBRAFの下流にあるMEKを阻害するため、BRAF変異・KRAS変異・MAP2K1変異のいずれにも対応できる可能性を持っています。また、BRAF阻害剤を単独投与した際に起こる「パラドックス活性化(MEK–ERKが逆に活性化してしまう現象)」を防ぐため、BRAF阻害剤との併用療法が重要とされています。
現時点で脈管異常に対するMEK阻害剤の国内保険適応はなく、研究・症例報告・海外での臨床試験の段階です。
| 備考 | セルメチニブ(コセルゴ®)は神経線維腫症1型(NF1)に伴う叢状神経線維腫に対して国内承認されており、NF1は動静脈奇形などの脈管異常を合併することがあるため注目されている |
https://cure-vas.jp/list/arteriovenous-malformation/ 動静脈奇形の治療法を教えてください。
【関連情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関連用語 | RAS/MEK/ERK経路、KRAS遺伝子、MAP2K1遺伝子、BRAF遺伝子、RASopathy、分子標的治療薬 |
| 関連薬剤 | トラメチニブ(MEK阻害剤)、セルメチニブ(MEK阻害剤)、ベムラフェニブ(BRAF阻害剤、併用) |
| 関連検査 | 遺伝子検査(病変組織・NGS)、眼科検査(MEK阻害剤の眼への副作用確認)、心電図 |