BRAF(ビーラフ)阻害剤

項目 内容
日本語名 BRAF阻害剤
英語名 BRAF inhibitor
略語
読み方 びーらふそがいざい
カテゴリ 11、シロリムス以外の分子標的薬

BRAF阻害剤とは、「RAS–RAF–MEK–ERK」シグナル伝達経路の中のBRAFタンパク質(キナーゼ)の働きを特異的に抑制する分子標的治療薬の総称です。BRAF遺伝子に変異が生じてBRAFタンパク質が常時活性化した状態になると、細胞増殖シグナルが過剰に伝わり続け、腫瘍が増殖します。BRAF阻害剤はこの異常な活性化を直接抑えることで、腫瘍の増殖を抑制します。代表的な薬剤としてベムラフェニブ(商品名:ゼルボラフ®)・ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー®)などがあります。

 

【保険適応と現状】

国内では、BRAF遺伝子変異(V600E変異など)を持つ悪性黒色腫・非小細胞肺癌・結腸直腸癌などに対して保険適応があります。多くの場合、MEK阻害剤(トラメチニブなど)との併用療法が標準とされています。

脈管異常に対してはBRAF阻害剤の保険適応はなく、現時点では研究・症例報告レベルにとどまっています。一方でBRAF変異に関連する動静脈奇形などへの応用が将来的に期待されており、MEK阻害剤(トラメチニブ)と合わせてRASopathy(RAS経路関連疾患)全般に対する治療薬候補として研究が進んでいます。

 

| 備考 | BRAF阻害剤単独投与では、ときにRAS/ERK経路が逆に活性化してしまう「パラドックス活性化」が起こることがあるため、MEK阻害剤との併用が重要とされている |

https://cure-vas.jp/other-drugs/ シロリムス以外の分子標的薬について教えてください。

【関連情報】

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関連用語 BRAF遺伝子、MEK阻害剤、RAS/MEK/ERK経路、分子標的治療薬、体細胞変異、RASopathy
関連薬剤 ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ(MEK阻害剤、併用)、セルメチニブ
関連検査 遺伝子検査(BRAF V600E変異など)、次世代シーケンシング(NGS)

(最終編集:2026223日)