分子標的治療薬

項目 内容
日本語名 分子標的治療薬
英語名 Molecular target drug
略語
読み方 ぶんしひょうてきちりょうやく
カテゴリ 9、混合型脈管奇形、KTSなど

分子標的治療薬とは、病気の発症や進行に直接関わる特定の分子(タンパク質・遺伝子・受容体など)を狙い撃ちにして、その働きを抑制する薬剤の総称です。従来の抗がん薬(細胞毒性薬)が増殖の速い細胞を広く傷つけるのに対し、分子標的治療薬は「悪い分子だけを選択的に抑える」という考え方に基づいており、正常な細胞への影響が少ないことが期待されています。

 

【脈管異常における分子標的治療薬】

血管腫・血管奇形(脈管異常)の多くは、特定のシグナル伝達経路(PI3K/AKT/mTOR経路・RAS/MEK/ERK経路)の遺伝子変異によって引き起こされることがわかってきています。これらの経路の異常な活性化を抑える分子標的治療薬が、新たな治療薬として研究・使用されています。

標的 薬剤 対象疾患・状況
mTOR シロリムス 2024年1月国内承認済み(静脈奇形・リンパ管奇形・混合型脈管奇形など)
PI3Kα アルペリシブ・セラベリシブ PROS(米FDA承認済み、国内治験中)
MEK トラメチニブ・セルメチニブ 動静脈奇形(国内治験準備中)
BRAF ベムラフェニブ・ダブラフェニブ 動静脈奇形(研究段階)
AKT ミランセチブ 研究段階

【将来への展望】

分子標的治療薬の登場により、これまで有効な治療法がなかった難治性の脈管異常に対して、症状の改善・病変の縮小が期待できるようになっています。今後さらなる遺伝子解析と治験の進展によって、より多くの疾患・患者さんへの適応拡大が期待されています。

| 備考 | シロリムス以外の分子標的治療薬(アルペリシブ・トラメチニブなど)は脈管異常に対して国内では保険適応がなく、治験参加が前提。主治医を通じて最新の治験情報を確認することが重要 |

https://cure-vas.jp/list/combined-vascular-anomalies-klippel-trenaunay-syndrome/ 混合型脈管奇形の治療法を教えてください。

 

【関連情報】

項目 内容
関連用語 シグナル伝達経路、PI3K/AKT/mTOR経路、RAS/MEK/ERK経路、体細胞変異、医師主導治験
関連薬剤 シロリムス、アルペリシブ、セラベリシブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ
関連検査 遺伝子検査(病変組織)、MRI検査(治療効果評価)、シロリムス血中濃度

(最終編集:2026223日)