ビンクリスチン

項目 内容
日本語名 ビンクリスチン
英語名 Vincristine
略語 VCR
読み方 びんくりすちん
カテゴリ 4、乳児血管腫以外の血管性腫瘍

ビンクリスチンとは、ニチニチソウ(Catharanthus roseus)から抽出されたアルカロイド系の抗がん薬(抗腫瘍薬)です。細胞分裂に必要な微小管の形成を阻害することで、細胞の増殖を抑制する作用を持ちます。白血病・悪性リンパ腫・神経芽腫など多くの悪性腫瘍の治療に用いられています。静脈内投与(点滴)で使用されます。

 

【脈管異常における使用】

カポジ肉腫様血管内皮細胞腫(KHE)・カサバッハ・メリット現象

KHE(カポジ肉腫様血管内皮細胞腫)は血管性腫瘍の中でも治療が難しい疾患で、特に血小板の著しい減少・出血傾向を伴う「カサバッハ・メリット現象(KMP)」を合併した重症例では、生命の危険があります。このような重症例に対して、ビンクリスチンはステロイドや他の薬剤と組み合わせて使用されてきました。

現在はシロリムスの有効性が報告されており(2024年1月に血管内皮腫・房状血管腫に対して薬事承認)、治療の選択肢が広がっています。ビンクリスチンはシロリムスが効果不十分な場合や重症例での補助的な選択肢として位置づけられています。

房状血管腫(TA)

KHEと同様に、カサバッハ・メリット現象を伴う重症例ではビンクリスチンが使用されることがあります。

 

【主な副作用】

末梢神経障害(手足のしびれ・感覚障害・筋力低下)、便秘・腸閉塞(自律神経障害)、脱毛、骨髄抑制(白血球・血小板の減少)などがあります。特に末梢神経障害は用量依存性で、投与量や投与期間を考慮した管理が必要です。

| 備考 | KHEに対するシロリムスの薬事承認(2024年1月)以降、ビンクリスチンの使用機会は減少傾向にある。シロリムスが無効・不十分な場合やKMPの緊急対応として引き続き考慮されることがある |

 

https://cure-vas.jp/list/other-vascular-tumors/ 乳児血管腫以外の血管性腫瘍を教えてください。

【関連情報】

項目 内容
関連用語 カポジ肉腫様血管内皮細胞腫(KHE)、房状血管腫、カサバッハ・メリット現象、抗がん薬、末梢神経障害
関連薬剤 シロリムス、ステロイド、アスピリン、チクロピジン(抗血小板薬)
関連検査 血液検査(血小板数・凝固機能)、MRI検査、病理検査

(最終編集:2026223日)