2026.02.14
セラベリシブ
|
日本語名 |
セラベリシブ |
|
英語名 |
Serabelisib |
|
略語 |
― |
|
読み方 |
せらべりしぶ |
|
カテゴリ |
11、シロリムス以外 |
セラベリシブ(serabelisib)は、PI3K(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ)のp110αサブユニットを選択的に阻害する分子標的薬です。開発コードはINK1117(MLN1117)として知られています。経口投与可能な薬剤で、PIK3CA遺伝子変異が原因となる疾患に対する治療薬として開発が進められています。
【作用機序】
PIK3CA遺伝子は、PI3Kの触媒サブユニットであるp110αをコードしています。PIK3CA遺伝子に活性化変異が生じると、PI3K/AKT/mTOR経路が過剰に活性化され、細胞の異常な増殖や血管・リンパ管の形成異常を引き起こします。セラベリシブはp110αを選択的に阻害することで、この異常なシグナル伝達を抑制し、病変の進行を抑える効果が期待されています。
【対象疾患】
・PIK3CA関連過成長症候群(PROS:PIK3CA-related Overgrowth Spectrum)
・静脈奇形、リンパ管奇形などの低流速型脈管奇形
・クリッペル・トレノネー症候群
・CLOVES症候群
・線維脂肪脈管異常(FAVA)
これらの疾患はPIK3CA遺伝子の体細胞モザイク変異が原因とされており、PI3K阻害剤による治療効果が期待されています。
【他のPI3K阻害剤との比較】
同じPI3K阻害剤であるアルペリシブ(alpelisib、商品名:VIJOICE、ビジョイス)は、2022年4月に米国FDAで2歳以上のPROS患者に対して承認されました。セラベリシブはアルペリシブと同様にp110αを標的としますが、より選択性が高いとされており、副作用プロファイルの改善が期待されています。
【開発状況】
KP-001(セラベリシブ、serabelisib)は、難治性脈管奇形を対象とした国内第III相試験において、MRI評価による病変体積20%以上縮小の奏効率が自然歴を基準とした設定値を有意に上回り、安全性上の重大な問題も認められませんでした(科研製薬報告より)。KP-001-301_プレスリリース
日本国内での承認は未取得であり、今後の臨床試験の結果が待たれます。
PI3K阻害剤は、シロリムス(mTOR阻害剤)とは異なる作用機序を持つ。シロリムスはPI3K/AKT/mTOR経路の下流であるmTORを阻害するのに対し、セラベリシブは上流のPI3Kを直接阻害する。
【関連情報】
関連用語:PI3K阻害剤、分子標的治療薬、シロリムス、アルペリシブ、PI3K/AKT/mTOR経路、シグナル伝達経路
関連疾患:PIK3CA関連過成長症候群(PROS)、静脈奇形、リンパ管奇形、クリッペル・トレノネー症候群、CLOVES症候群、線維脂肪脈管異常(FAVA)
関連遺伝子:PIK3CA
https://cure-vas.jp/other-drugs/