2026.02.23
DNA
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本語名 | DNA、デオキシリボ核酸 |
| 英語名 | Deoxyribonucleic acid |
| 略語 | DNA |
| 読み方 | でぃーえぬえー、でおきしりぼかくさん |
| カテゴリ | 11、シロリムス以外の分子標的薬 |
DNA(デオキシリボ核酸)とは、人体を構成するすべての細胞の核の中に存在する分子で、生命の「設計図」にあたるものです。2本の長い鎖状の分子がらせん状に絡み合った「二重らせん構造」をしており、A(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)の4種類の塩基の並び方(配列)によって、どのようなタンパク質を作るかという情報が書き込まれています。この特定のタンパク質の設計図となるDNAの一部分を「遺伝子」と呼びます。
【DNAから病気が起こるしくみ】
DNAに含まれる遺伝子の情報は、「転写」「翻訳」というプロセスを経てタンパク質へと変換されます。このタンパク質が血管・リンパ管を含む細胞の形や機能を決定します。遺伝子の配列に何らかの異常(変異)が生じると、正常なタンパク質が作られなくなり、その結果、細胞の機能に異常が生じて病気の原因となります。
【脈管異常とDNA・遺伝子の関係】
近年、血管腫・血管奇形(脈管異常)の多くが、特定の遺伝子の変異によって引き起こされることがわかってきています。代表的なものとして、静脈奇形・リンパ管奇形に関連するPIK3CA遺伝子、TEK(TIE2)遺伝子、動静脈奇形に関連するKRAS遺伝子・MAP2K1遺伝子・BRAF遺伝子などがあります。これらの遺伝子が変異することで、血管・リンパ管の形成を制御するシグナル伝達経路(PI3K/AKT/mTOR経路、RAS/MEK/ERK経路)が過剰に活性化し、異常な血管・リンパ管が作られると考えられています。
こうした遺伝子変異の多くは「体細胞変異(体の一部の細胞のみに生じる変異)」であるため、遺伝せず、患者さん本人の病変部分にのみ変異が存在します。一方、家族性の場合は「生殖細胞系列変異」として精子・卵子に変異があり、親から子へと受け継がれます。
遺伝子解析技術の進歩(次世代シーケンサーの登場など)によって、ごく少数の細胞にのみ存在する変異の検出も可能となり、現在も多くの疾患で原因遺伝子の解明が進んでいます。原因遺伝子がわかると、それを標的とする「分子標的治療薬」の開発につながります。
| 備考 | 血管腫・血管奇形に対する遺伝子診断法は現時点では保険適応がなく、研究段階。将来的に診断・治療選択への活用が期待されている |
https://cure-vas.jp/other-drugs/ シロリムス以外の分子標的薬について教えてください。
【関連情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関連用語 | 遺伝子、体細胞変異、生殖細胞系列変異、シグナル伝達経路、分子標的治療薬、次世代シーケンサー(NGS)、PIK3CA遺伝子、KRAS遺伝子 |
| 関連薬剤 | シロリムス、アルペリシブ、トラメチニブ、セラベリシブ |
| 関連検査 | 遺伝子検査(病変組織・血液)、PCR法、次世代シーケンシング(NGS)、体細胞遺伝子検査 |
(最終編集:2026年2月23日)