生殖細胞変異
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日本語名 |
生殖細胞変異 |
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英語名 |
Germline mutation |
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略語 |
― |
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読み方 |
せいしょくさいぼうへんい |
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カテゴリ |
6、静脈奇形 |
生殖細胞変異(germline mutation)とは、精子や卵子などの生殖細胞(配偶子)に存在する遺伝子変異のことです。生殖細胞変異は親から子へ遺伝し、その変異は子のすべての細胞に存在することになります。このため、生殖細胞変異による疾患は「遺伝性疾患」となります。
【体細胞変異との違い】
遺伝子変異には大きく分けて「生殖細胞変異」と「体細胞変異(somatic mutation)」があります。
・生殖細胞変異:生殖細胞(精子・卵子)に存在する変異。親から子へ遺伝し、子のすべての細胞に変異が存在する。遺伝性疾患の原因となる。
・体細胞変異:受精後に体の一部の細胞で生じた変異。親から子へは遺伝せず、変異を持つ細胞のみが影響を受ける(モザイク)。多くの血管腫・血管奇形は体細胞変異による。
【血管腫・血管奇形における生殖細胞変異】
血管腫・血管奇形の多くは体細胞変異(モザイク変異)によるものですが、一部の疾患は生殖細胞変異による遺伝性疾患です。
<生殖細胞変異による遺伝性の血管奇形>
・家族性皮膚粘膜静脈奇形(VMCM):TEK(TIE2)遺伝子の生殖細胞変異が原因。常染色体顕性(優性)遺伝形式で、皮膚や粘膜に小さな静脈奇形が多発する。
・遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT、オスラー病):ENG、ACVRL1、SMAD4などの遺伝子の生殖細胞変異が原因。常染色体顕性(優性)遺伝形式で、皮膚・粘膜の毛細血管拡張や多臓器の動静脈奇形を特徴とする。
・脳海綿状血管腫(CCM):KRIT1、Malcavernin、PDCD10などの遺伝子の生殖細胞変異が原因となる家族性のものがある。
【遺伝形式】
生殖細胞変異による遺伝性疾患の多くは、常染色体顕性(優性)遺伝形式をとります。この場合、親が病気であった場合、子が病気になる確率は50%となります。


【遺伝カウンセリングの重要性】
生殖細胞変異による遺伝性疾患の場合、家族への影響があるため、遺伝子検査を受ける前後に遺伝カウンセリングを受けることが推奨されています。遺伝カウンセリングでは、病気の遺伝子情報の理解、検査内容の共有、結果に応じた心理学的影響への対応などが行われます。
*血管腫・血管奇形の多くは体細胞変異(モザイク変異)によるため遺伝しないが、一部の疾患は生殖細胞変異による遺伝性疾患である。家族歴がある場合は遺伝カウンセリングを検討する。
【関連情報】
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項目 |
内容 |
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関連用語 |
体細胞変異、モザイク、常染色体顕性(優性)遺伝、遺伝子、遺伝子カウンセラー、染色体 |
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関連疾患 |
家族性皮膚粘膜静脈奇形(VMCM)、遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)、脳海綿状血管腫(CCM) |
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関連遺伝子 |
TEK(TIE2)、ENG、ACVRL1、SMAD4、KRIT1 |
https://cure-vas.jp/list/venous-malformation/
(最終編集:2026年2月15日)