退縮、退縮期

日本語名 退縮、退縮期
英語名 Involution、Involutive phase
略語
読み方 たいしゅく、たいしゅくき
カテゴリ 1、血管腫・血管奇形と診断された方へ

退縮(involution)とは、組織や腫瘍が自然に縮小・消退することを指します。血管腫・血管奇形の分野では、特に乳児血管腫の自然経過を説明する際に「退縮期(involutive phase)」という用語が重要です。

【乳児血管腫と退縮期】

乳児血管腫(infantile hemangioma:IH)は、最も頻度の高い良性の血管性腫瘍であり、「増殖期」の後に「退縮期」を経て自然に縮小するという特徴的な自然経過をたどります。これは乳児血管腫と血管奇形を区別する重要な特徴です。

<退縮期(Involutive phase)>

・通常、1歳頃から始まり、5〜10歳頃までに多くの症例で退縮が進む

・血管内皮細胞の増殖が停止し、病変が徐々に縮小する時期

・鮮やかな赤色が薄くなり、灰白色や肌色に近づく

・腫瘤が柔らかくなり、平坦化していく

・「1歳で10%、毎年10%ずつ退縮する」という目安がある(個人差あり)

<退縮後の残存所見>

退縮期を経ても、以下のような残存所見が残ることがあります。

・毛細血管拡張(telangiectasia):皮膚表面に細い血管が見える状態

・瘢痕(scarring):傷跡のような組織変化

・余剰皮膚(redundant skin):伸びた皮膚がたるんで残る

・線維脂肪組織の残存:脂肪様の組織が残る

・色素沈着または色素脱失

これらの残存所見に対しては、レーザー療法や外科的切除などの治療が検討されることがあります。特に退縮期に残った毛細血管拡張に対しては、色素レーザー療法がよく行われています。

(写真:Cordisco MR, Vascular Anomalies in Childhood)

【先天性血管腫と退縮】

先天性血管腫(congenital hemangioma)は、胎内で完成し出生時にすでに存在する血管性腫瘍で、退縮の有無により以下のように分類されます。

・RICH(急速退縮型先天性血管腫):生後急速に退縮する

・NICH(非退縮型先天性血管腫):退縮しない

・PICH(部分退縮型先天性血管腫):部分的に退縮する

(写真:Cordisco MR, Vascular Anomalies in Childhood)

【血管奇形との違い】

血管奇形(静脈奇形、リンパ管奇形、動静脈奇形など)は、乳児血管腫とは異なり、退縮期という経過をたどりません。血管奇形は自然退縮せず、体の成長に伴って徐々に大きくなることがあります。

【関連情報】

項目 内容
関連用語 増殖期、乳児血管腫、自然消退、瘢痕化、毛細血管拡張
関連疾患 乳児血管腫、先天性血管腫(RICH、NICH、PICH)
関連治療 レーザー療法、外科的切除

https://cure-vas.jp/list/infantile-hemangioma/

(最終編集:2026215日)