増殖、増殖期

日本語名

増殖、増殖期

英語名

Proliferation、Proliferative phase

略語

読み方

ぞうしょく、ぞうしょくき

カテゴリ

1、血管腫・血管奇形と診断された方へ

増殖(proliferation)とは、細胞が分裂して数を増やすことを指します。血管腫・血管奇形の分野では、特に乳児血管腫の経過を説明する際に「増殖期(proliferative phase)」という用語が重要です。

【乳児血管腫と増殖期】

乳児血管腫(infantile hemangioma:IH)は、最も頻度の高い良性の血管性腫瘍であり、「増殖期」と「退縮期」という特徴的な自然経過をたどることが大きな特徴です。

<増殖期(Proliferative phase)>

・通常、生後1〜4週頃から始まり、生後4〜6ヶ月頃に最も急速に成長します

・血管内皮細胞が活発に増殖し、病変が大きくなる時期

・皮膚表面が鮮やかな赤色(いちご状)を呈することが多い

・生後1年頃までに増殖のピークを迎えることが多い

<退縮期(Involutive phase)>

・増殖期の後、自然に縮小し始める時期

・通常、1歳頃から始まり、5〜10歳頃までに多くの場合退縮する

・色調が薄くなり、腫瘤が柔らかくなる

・完全に消失する場合もあるが、瘢痕や毛細血管拡張、余剰皮膚が残ることもある

【増殖期の治療の重要性】

乳児血管腫は自然退縮が期待できる疾患ですが、以下のような場合には増殖期に積極的な治療介入が必要となることがあります。

・機能障害を起こす可能性がある部位(眼周囲、気道、口唇など)

・潰瘍形成のリスクがある部位(首、わき、唇、陰部など)

・整容面で問題となる部位(顔面など)

・PHACE症候群やLUMBAR症候群を伴う場合

増殖期に治療を開始することで、病変の増大を抑制し、合併症を予防できる可能性があります。治療薬としては、プロプラノロール(ヘマンジオルシロップ)が第一選択薬として使用されています。

【血管奇形との違い】

血管奇形(静脈奇形、リンパ管奇形、動静脈奇形など)は、乳児血管腫とは異なり、増殖期・退縮期という経過をたどりません。血管奇形は体の成長に伴って徐々に大きくなることがありますが、自然退縮はしません。

 

【関連情報】

項目

内容

関連用語

退縮期、乳児血管腫、いちご状血管腫、自然消退、血管新生

関連疾患

乳児血管腫、PHACE症候群、LUMBAR症候群

関連治療

プロプラノロール(ヘマンジオルシロップ)、レーザー療法

https://cure-vas.jp/list/infantile-hemangioma/

(最終編集:2026215日)