D-ダイマー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本語名 | D-ダイマー |
| 英語名 | D-dimer |
| 略語 | ― |
| 読み方 | でぃーだいまー |
| カテゴリ | 6、静脈奇形 |
D-ダイマーとは、血液が固まってできた血栓(血の塊)が溶けるとき(線溶反応)に生じる分解産物の一つです。血液検査で測定することができ、体の中で血栓が形成され、それが溶かされていることを反映する重要な指標(バイオマーカー)です。通常、健康な状態ではごく低値ですが、血栓症や凝固異常が起こると著しく上昇します。
【脈管異常におけるD-ダイマーの意義】
<カサバッハ・メリット現象>
乳幼児期に発症するカポジ肉腫様血管内皮細胞腫、房状血管腫が増大すると、カサバッハ・メリット現象を起こします。これは、腫瘍内部で血小板が異常に凝集するために起こり(播種性血管内凝固)、D-ダイマーが上昇します。
<静脈奇形>
静脈奇形の病変内では、血流の滞りや血管内皮の障害によって微小血栓が慢性的に繰り返し形成・溶解されます。これを「限局性血管内凝固障害(LIC:Localized Intravascular Coagulopathy)」といいます。この状態ではD-ダイマーが持続的に高値を示し、同時に凝固因子(フィブリノーゲン)の低下や血小板数の軽度低下が認められます。特に病変が大きい・深部にある・静脈石を伴うなどの重症例ではD-ダイマーがより高くなる傾向があります。
D-ダイマーは静脈奇形の重症度判定や、手術・血管内治療前のリスク評価、シロリムスなど薬物療法の治療効果を判定するための指標として活用されています。
<リンパ管奇形・混合型脈管奇形>
静脈奇形と同様に、低流速型脈管奇形全般(リンパ管奇形・クリッペル・トレノネー症候群など)においても、病変内の凝固異常によってD-ダイマーが上昇することがあります。
【D-ダイマーが高い場合の対応】
D-ダイマーが著しく高値の場合、手術や硬化療法などの処置を行うと血栓症や大量出血のリスクが高まります。そのため、処置前には必ず血液検査を行い、凝固異常の有無を評価することが重要です。抗凝固薬(低分子ヘパリン、ワルファリンなど)による前処置が必要となる場合があります。
| 備考 | 静脈奇形のLICの評価において、D-ダイマーはフィブリノーゲン、血小板数とともに重要な検査項目。シロリムス治療の効果が得られると、D-ダイマーが低下し凝固異常が改善することが報告されている |
https://cure-vas.jp/list/venous-malformation/ 静脈奇形の治療法を教えてください。
【関連情報】
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項目 |
内容 |
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関連用語 |
限局性血管内凝固障害(LIC)、血栓症、深部静脈血栓症(DVT)、フィブリノーゲン、線溶反応、静脈石 |
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関連薬剤 |
低分子ヘパリン、ワルファリン、アスピリン、シロリムス |
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関連検査 |
フィブリノーゲン、FFP、血小板数 |
(最終編集:2026年2月23日)