2026.02.14
先天性血管腫
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日本語名 |
先天性血管腫 |
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英語名 |
Congenital hemangioma |
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略語 |
CH |
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読み方 |
せんてんせいけっかんしゅ |
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カテゴリ |
1、血管腫・血管奇形と診断された方へ |
先天性血管腫(congenital hemangioma:CH)とは、胎児期に発生し、出生時にはすでに完成している血管性腫瘍です。乳児血管腫(いちご状血管腫)とは異なり、出生後に増大することはありません。
【乳児血管腫との違い】
先天性血管腫は免疫組織化学検査でGLUT-1陰性であり、GLUT-1陽性である乳児血管腫と区別されます。乳児血管腫は生後数週間で出現し、増殖期を経て退縮しますが、先天性血管腫は出生時にすでに完成しており、その後の経過によって3つのタイプに分類されます。
【先天性血管腫の分類】
・RICH(急速退縮型先天性血管腫、Rapidly Involuting Congenital Hemangioma):出生後、急速に自然退縮するタイプです。通常、生後6〜14ヶ月で退縮が完了します。退縮後に皮膚の萎縮や瘢痕が残ることがあります。
・NICH(非退縮型先天性血管腫、Non-Involuting Congenital Hemangioma):自然退縮せず、そのまま残存するタイプです。治療が必要な場合は外科的切除が行われます。
・PICH(部分退縮型先天性血管腫、Partially Involuting Congenital Hemangioma):部分的に退縮するタイプで、RICHとNICHの中間的な経過をたどります。
【原因】
GNAQ遺伝子またはGNA11遺伝子の体細胞変異(グルタミン209番の変異)が原因とされています。この変異部位は、ポートワイン毛細血管奇形の原因変異(アルギニン183番)とは異なります。
【合併症】
先天性血管腫では、凝固異常を合併することがあります。血液検査でフィブリノーゲンの低下、D-ダイマーやFDPの上昇がみられることがあります。これはカポジ肉腫様血管内皮細胞腫でみられるカサバッハ・メリット現象ほどは重症ではありません。
【治療】
RICHは自然退縮するため、経過観察が基本です。NICHやPICHで治療が必要な場合は、外科的切除が選択されます。
乳児血管腫とは異なる疾患であり、GLUT-1染色で鑑別される。大きな血管(動脈・静脈)やリンパ管成分を伴うことがある。
【関連情報】
関連用語:乳児血管腫、GLUT-1、退縮、増殖期、血管性腫瘍、凝固異常
関連疾患;乳児血管腫、カポジ肉腫様血管内皮細胞腫、房状血管腫
関連遺伝子:GNAQ、GNA11