PI3K/AKT/mTOR経路
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本語名 | PI3K/AKT/mTOR経路 |
| 英語名 | PI3K/AKT/mTOR pathway |
| 略語 | ― |
| 読み方 | ぴいあいすりーけーえいけいてぃーえむとーるけいろ |
| カテゴリ | 9、混合型脈管奇形、KTSなど |
PI3K/AKT/mTOR経路とは、細胞の増殖・生存・血管新生を制御する重要なシグナル伝達経路の一つです。「PIKopathy(ピコパシー)」とも呼ばれます。細胞の外からの増殖シグナル(成長因子など)が受容体に結合すると、PI3K(ホスホイノシチド3キナーゼ)→AKT(プロテインキナーゼB)→mTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク)という順に活性化シグナルが伝わり、細胞増殖・血管形成が促進されます。
【脈管異常との関係】
PIK3CA遺伝子・TEK(TIE2)遺伝子・PTEN遺伝子などの変異によってこの経路が過剰に活性化すると、異常な静脈・リンパ管・毛細血管の形成が起こり、静脈奇形・リンパ管奇形・混合型脈管奇形(クリッペル・トレノネー症候群・PROS)などが発症すると考えられています。
【治療薬との関連】
この経路の各段階を標的とした分子標的治療薬の開発が進んでいます。
| 経路の標的 | 薬剤 |
|---|---|
| mTOR(経路の最下流) | シロリムス(ラパリムス)→2024年1月保険承認済み |
| PI3Kα(経路の上流) | アルペリシブ(米FDA承認済み)、セラベリシブ(国内治験中) |
| AKT | ミランセチブ(研究段階) |
シロリムスはmTORを阻害することでこの経路の活性化を抑制し、脈管異常の症状改善に効果を発揮します。
| 備考 | もう一つの重要な経路は「RAS/MEK/ERK経路(RASopathy)」で、動静脈奇形などの高流速型脈管奇形と関連する。両経路を理解することが脈管異常の薬物療法選択の基本となる |
https://cure-vas.jp/list/combined-vascular-anomalies-klippel-trenaunay-syndrome/ 混合型脈管奇形の治療法を教えてください。
【関連情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関連用語 | PIK3CA遺伝子、mTOR、PROS、RAS/MEK/ERK経路、分子標的治療薬、シグナル伝達経路 |
| 関連薬剤 | シロリムス、アルペリシブ(PI3K阻害剤)、セラベリシブ、ミランセチブ(AKT阻害剤) |
| 関連検査 | 遺伝子検査(PIK3CA変異)、MRI検査、血液検査(シロリムス血中濃度) |
(最終編集:2026年2月23日)