低分子ヘパリン

②低分子ヘパリン

項目 内容
日本語名 低分子ヘパリン
英語名 Low-molecular-weight heparin
略語 LMWH
読み方 ていぶんしへぱりん
カテゴリ 6、静脈奇形

低分子ヘパリンとは、血液が固まるのを防ぐ薬(抗凝固薬)の一種です。通常のヘパリンをより小さな分子に分解して作られており、皮下注射(お腹や太ももの皮膚の下への注射)によって投与します。血液中の凝固因子(血液を固めるタンパク質)の働きを抑えることで、血栓(血の塊)の形成を防いだり、すでにできた血栓がこれ以上大きくなるのを抑える効果があります。

【脈管異常における使用】

静脈奇形における使用>

静脈奇形では、病変内の血流が滞ることで血栓が生じやすく、凝固因子が慢性的に消費される「限局性血管内凝固障害(LIC)」という状態になることがあります。この状態が続くと血が固まりにくくなり、手術や血管内治療の際に大量出血のリスクが高まります。そのため、手術前後の血栓症予防、および凝固異常の管理を目的として低分子ヘパリンが使用されることがあります。

ただし、皮下注射での投与が必要であり、長期投与は現実的ではないため、術前・術後の限られた期間での使用が中心となります。

その他の脈管奇形での使用>

静脈奇形と同様に凝固異常が起こりうるリンパ管奇形、混合型脈管奇形(クリッペル・トレノネー症候群など)においても、状況に応じて使用されることがあります。
 

【一般的な使用】

・深部静脈血栓症(DVT)の予防・治療 ・肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の予防・治療 ・手術後の血栓予防 ・透析時の血液凝固予防

【副作用】

主な副作用として、注射部位の出血・内出血・かゆみ、まれに血小板減少症(ヘパリン起因性血小板減少症:HIT)があります。HITは重篤な状態につながることがあるため、定期的な血小板数の確認が必要です。また過度の抗凝固作用による出血傾向にも注意が必要です。

| 備考 | 通常のヘパリン(未分画ヘパリン)に比べ、皮下注射での効果が安定しており、1日1〜2回の注射で管理できる利点がある。静脈奇形に対する抗凝固療法は現時点では確立された治療法ではなく、個々の患者の状態に応じた対応が必要 |

https://cure-vas.jp/list/venous-malformation/ 静脈奇形の治療法を教えてください。

【関連情報】

項目 内容
関連用語 抗凝固療法、血栓症、限局性血管内凝固障害(LIC)、深部静脈血栓症(DVT)、静脈石、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
関連薬剤 ワルファリン、アスピリン、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)、ヘパリン(未分画)
関連検査 血液検査(Dダイマー、フィブリノーゲン、血小板数、凝固因子)、超音波検査

(最終編集:2026223日)