鉄欠乏性貧血

項目 内容
日本語名 鉄欠乏性貧血
英語名 Iron deficiency anemia
略語 IDA
読み方 てつけつぼうせいひんけつ
カテゴリ 6、静脈奇形

鉄欠乏性貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビン(酸素を全身に運ぶタンパク質)の原料となる「鉄」が不足することで、ヘモグロビンの量が減少し、酸素を十分に運べなくなる状態(貧血)をいいます。貧血の中で最も多いタイプです。

【症状】

主な症状には、顔色の悪さ(顔面蒼白)、疲れやすさ、息切れ、動悸、頭痛、めまい、集中力の低下などがあります。重症になると、発育・発達への影響が出ることもあります。また鉄欠乏に特有の症状として、さじ状爪(爪が平らになる)、異食症(氷や土など食べ物以外のものを食べたくなる)なども知られています。

【脈管異常における鉄欠乏性貧血の原因】

静脈奇形> 静脈奇形の病変内では、血流の滞りから慢性的に血栓形成と溶解が繰り返される「限局性血管内凝固障害(LIC)」が起こることがあります。この過程で赤血球が継続的に消費・破壊されることや、病変からの慢性的な微小出血によって、鉄欠乏性貧血をきたすことがあります。特に青色ゴムまり様母斑症候群(BRBNS)では、消化管に静脈奇形が多発するため、消化管からの慢性出血による重度の鉄欠乏性貧血が特徴的な症状となります。

リンパ管奇形(リンパ管腫症など)> 胸水・腹水などによる大量のリンパ液の漏出が続くと、栄養の損失が著しくなり、鉄を含むタンパク質(フェリチンなど)も失われることで、鉄欠乏性貧血が生じる場合があります。

【治療】

原因(出血・漏出・慢性炎症など)の治療とともに、鉄剤(内服または静脈注射)による鉄の補充が行われます。重症例では輸血が必要となる場合もあります。脈管異常に伴う鉄欠乏性貧血では、シロリムスなどの薬物療法によって原疾患のコントロールが改善されると、貧血も軽快することが報告されています。

| 備考 | 青色ゴムまり様母斑症候群(BRBNS)では、繰り返す消化管出血による重度の鉄欠乏性貧血が主要症状の一つであり、シロリムスによる治療効果の指標としても評価される |

https://cure-vas.jp/list/venous-malformation/ 静脈奇形の治療法を教えてください。

【関連情報】

項目 内容
関連用語 限局性血管内凝固障害(LIC)、青色ゴムまり様母斑症候群、ヘモグロビン、フェリチン、血栓症、慢性出血
関連薬剤 鉄剤(内服・静脈注射)、シロリムス、輸血製剤
関連検査 血液検査(ヘモグロビン、血清鉄、フェリチン、TIBC、網状赤血球数)、便潜血検査、消化管内視鏡検査

(最終編集:2026223日)