バリアント

項目 内容
日本語名 バリアント
英語名 Variant
略語
読み方 ばりあんと
カテゴリ 8、動静脈奇形

バリアント(variant)とは、遺伝子(DNA)の配列が通常とは異なっている「変化・変異」を指す医学・遺伝学用語です。以前は「変異(mutation)」という語が広く使われていましたが、近年は病的意義が確認されているものを「病的バリアント(pathogenic variant)」、意義が不明なものを「意義不明のバリアント(VUS:Variant of Uncertain Significance)」などと区別して呼ぶことが一般的になっています。「バリアント」という言葉自体は価値中立的で、すべての遺伝子配列の変化を指します。

 

【脈管異常における「バリアント」の使い方】

血管腫・血管奇形(脈管異常)の分野では、原因となる遺伝子の「体細胞バリアント(体細胞変異)」の検出が診断や治療選択に重要な意味を持ちます。例えば動静脈奇形の病変部位からは、KRAS・BRAF・MAP2K1(MEK1)などの体細胞モザイクバリアントが検出されることが報告されています。これらのバリアントは病変の一部の細胞にのみ存在し(全体の数%〜数十%程度)、次世代シーケンサー(NGS)による高感度解析によって初めて検出できるものもあります。

バリアントが検出されることで、どのシグナル伝達経路が異常に活性化しているかを特定し、その経路を標的とした分子標的治療薬の選択(例:RAS/MEK経路のバリアント→MEK阻害剤など)につなげることが将来的な目標とされています。

 

| 備考 | 現時点では脈管異常に対する遺伝子検査(バリアント検索)は保険適応外であり、主に研究目的で実施されている。将来的には診断・治療選択への活用が期待されている |

https://cure-vas.jp/list/arteriovenous-malformation/ 動静脈奇形の治療法を教えてください。

【関連情報】

項目 内容
関連用語 体細胞変異(体細胞モザイク変異)、病的バリアント、VUS、次世代シーケンサー(NGS)、KRAS遺伝子、BRAF遺伝子
関連薬剤 トラメチニブ(MEK阻害剤)、ベムラフェニブ(BRAF阻害剤)、アルペリシブ(PI3K阻害剤)
関連検査 遺伝子検査(病変組織・血液)、次世代シーケンシング(NGS)、ディープシーケンス

(最終編集:2026223日)