BRAF(ビーラフ)遺伝子

項目 内容
日本語名 BRAF遺伝子
英語名 BRAF gene
略語
読み方 びーらふいでんし
カテゴリ 8、動静脈奇形

BRAF遺伝子とは、「B-Raf proto-oncogene」の略で、細胞の増殖・分化・生存に関わる「RAS–RAF–MEK–ERK」シグナル伝達経路の構成要素の一つである「BRAFタンパク質(セリン/トレオニンキナーゼ)」をコードする遺伝子です。このシグナル経路は「MAPKシグナル経路(RASopathy)」とも呼ばれ、正常な細胞増殖・血管形成に欠かせない経路です。

 

【脈管異常とBRAF遺伝子変異】

動静脈奇形の病変部位からは、KRAS遺伝子・MAP2K1遺伝子(MEK1)とともに、BRAF遺伝子の体細胞変異(バリアント) が検出されることが報告されています。これらの変異によってRAS–BRAF–MEK–ERK経路が過剰に活性化し、異常な血管形成(動静脈奇形の発症)に関与すると考えられています。

 

【治療との関連】

BRAF遺伝子変異を有する悪性腫瘍(悪性黒色腫・非小細胞肺癌など)に対しては、「BRAF阻害剤(ベムラフェニブ・ダブラフェニブなど)」が分子標的治療として国内で保険適応を持っています。血管腫・血管奇形に対してはこれらの保険適応はありませんが、BRAF変異を持つ脈管異常に対する有効性の検討が研究レベルで進んでいます。

 

| 備考 | MEK阻害剤(トラメチニブ)はBRAFの下流にあるMEKを抑制するため、BRAF変異を有する脈管異常に対しても治療効果が期待される。BRAF阻害剤とMEK阻害剤の併用療法(悪性腫瘍では標準治療)の脈管異常への応用も検討されている |

 

https://cure-vas.jp/list/arteriovenous-malformation/ 動静脈奇形の治療法を教えてください。

【関連情報】

項目 内容
関連用語 KRAS遺伝子、MAP2K1遺伝子、RAS/MEK/ERK経路、体細胞変異、バリアント、RASopathy
関連薬剤 ベムラフェニブ(BRAF阻害剤)、トラメチニブ(MEK阻害剤)、ダブラフェニブ
関連検査 遺伝子検査(病変組織)、次世代シーケンシング(NGS)