動静脈短絡(シャント)

項目 内容
日本語名 動静脈短絡(シャント)
英語名 Arteriovenous shunt
略語
読み方 どうじょうみゃくたんらく(しゃんと)
カテゴリ 8、動静脈奇形

動静脈短絡(シャント)とは、本来であれば毛細血管を経由して動脈から静脈へと流れるはずの血液が、毛細血管を介さずに動脈から静脈へと直接流れ込む状態をいいます。「短絡」とは「近道」を意味し、英語では「shunt(シャント)」とも呼ばれます。

正常な循環では、動脈→毛細血管→静脈の順に血流が流れ、毛細血管で組織への酸素・栄養素の供給と二酸化炭素・老廃物の回収が行われます。この重要な工程が「近道」によってスキップされることで、組織への血液供給不足や、静脈側への過剰な高圧血流流入など様々な問題が生じます。

【動静脈奇形における動静脈短絡】

動静脈奇形(AVM)では、動脈と静脈の間に「ナイダス(nidus)」と呼ばれる毛細血管に代わる異常な血管の塊が先天的に形成されており、ここを通じて動静脈短絡が起こります。高圧の動脈血が直接静脈に流れ込むため、以下のような問題が生じます。

静脈圧の上昇:静脈が拡張・変形して膨らみ、皮膚の上からでも拍動(ドクドクとした波動)を触れるようになります。 ・血管の破綻:血管壁が圧力に耐えられなくなると出血・潰瘍の原因になります。 ・組織の血流不足:毛細血管を通らないため、周囲の組織に酸素・栄養素が十分供給されません。 ・心臓への負担:大きな短絡では、心臓が過剰に働かなければならなくなり(高拍出状態)、進行すると心不全(高拍出性心不全)を引き起こすことがあります。

【診断における重要性】

動静脈短絡の存在は、病変が「高流速型脈管奇形」であることを示す重要な所見であり、動静脈奇形・パークスウェーバー症候群などの診断根拠となります。超音波ドプラ検査(病変内の速い血流を確認)や、血管造影検査(動脈から静脈への早期造影を確認)によって評価されます。

| 備考 | 動静脈短絡(シャント)を伴う高流速型病変は、静脈奇形などの低流速型と異なり、硬化療法が無効であるばかりか悪化させるリスクがあるため、正確な分類が治療選択において極めて重要 |

https://cure-vas.jp/list/arteriovenous-malformation/ 動静脈奇形の治療法を教えてください。

【関連情報】

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関連用語 ナイダス、動静脈奇形(AVM)、高流速型脈管奇形、パークスウェーバー症候群、高拍出性心不全、塞栓術、ショービンガー分類
関連薬剤 塞栓物質(塞栓術で使用)、トラメチニブ(MEK阻害剤)、鎮痛薬(NSAIDs)
関連検査 超音波ドプラ検査、MRI検査、血管造影検査(DSA)、CT血管造影(CTA)

(最終編集:2026223日)