PIK3CA(ピックスリーシーエー)遺伝子

(最終編集:2026223日)

項目

内容

日本語名

PIK3CA遺伝子

英語名

PIK3CA gene

略語

読み方

ぴっくすりーしーえーいでんし

カテゴリ

6、静脈奇形

PIK3CA遺伝子とは、「PI3K/AKT/mTOR」シグナル伝達経路の中心的な構成要素であるPI3Kα(ホスホイノシチド3キナーゼα)のp110αサブユニットをコードする遺伝子です。この経路は細胞の増殖・生存・血管形成に重要な役割を担っており、PIK3CA遺伝子に機能獲得型変異が生じると、PI3K経路が常時活性化した状態となり、異常な細胞増殖・血管・リンパ管形成が引き起こされます。

【脈管異常とPIK3CA変異】

静脈奇形・リンパ管奇形・混合型脈管奇形(クリッペル・トレノネー症候群など)・CLOVES症候群など幅広い脈管異常の病変部位から、PIK3CA遺伝子の体細胞モザイク変異が検出されることが報告されています。これらは「PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)」と総称されています。PIK3CA変異は病変の一部の細胞にのみ存在する体細胞変異であるため、基本的に遺伝はしません。

PIK3CA変異を同定することで、PI3K/AKT/mTOR経路を標的とした分子標的治療薬(シロリムス・アルペリシブ・セラベリシブなど)の選択が可能となります。

| 備考 | PIK3CA遺伝子のH1047R・E545K・E542Kなどのホットスポット変異が脈管異常で多く検出される。これらの変異は次世代シーケンサーを用いた高感度解析(ディープシーケンス)でも検索される |

https://cure-vas.jp/list/venous-malformation/ 静脈奇形の治療法を教えてください。

【関連情報】

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関連用語

PI3K/AKT/mTOR経路、PROS、体細胞変異、機能獲得型変異、TEK(TIE2)遺伝子、分子標的治療薬

関連薬剤

シロリムス、アルペリシブ(PI3K阻害剤)、セラベリシブ

関連検査

遺伝子検査(病変組織)、次世代シーケンシング(NGS)・ディープシーケンス

(最終編集:2026223日)